相続というと受け取ることに意識がいきがちですが、実は費用が発生することも。税金はもちろんのこと印紙代や書類代、弁護士を頼めばその費用が必要です。これらの費用は相続の額に比例しますが、大体の相場を知っておきたいですよね。そこで、今回は相続にかかる費用相場について詳しくお伝えしていきます。

費用の内訳

どんな費用が必要なのか、内訳についてみていきましょう。

相談料

馴染みや親戚など頼める弁護士がいない場合、一から探すこととなります。法テラスや弁護士会を利用して近隣で相続を請け負う弁護士を探すこともできますが、ネットなどで調べて依頼も可能です。その際、依頼する前にどうしたいか?どのような状況なのか?などを相談できますが、費用が発生します。これが相談料と呼ばれるもので、30分5千円から1万円が相場です。

着手金

相談し、弁護士に依頼することを決めたら、着手金が発生します。着手金は成功しても上手くいかなくても戻ってこない性質のお金です。もちろん、キャンセルしても1円も戻ってきませんので、よく検討してから依頼しましょう。相場は30万円から150万と、規模や内容によって差がでます。相続争いになっている場合は50万円からと考えておきましょう。

調査費用

どんな財産があるのか把握できていない、相続人の行方が分からないなど、相続のために調査が必要な場合もあります。弁護士や司法書士に依頼すると、5万円から10万円にプラスして実費というのが相場ですが、規模や人数によっても差がでます。

日当

遠方に住む相続人と話す必要がある場合だけでなく、自宅で話したいといった場合にも日当が発生します。日当の平均は半日なら、3万円から5万円ですが、丸一日かかるなら10万円ほど。さらに、移動費などの実費が必要なこともあります。着手金に含まれている場合もあるので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。

手数料

遺産分割や遺留分減殺協議書など書類の作成や、関係各所へ出向いて手続きをするにも費用がかかります。実費にプラスして日当と考えておくといいでしょう。書類については種類にもよりますが、1通数万円が相場です。

成功報酬

遺産の分割などで揉めており弁護士を使って解決したい場合は、成功報酬も必要です。得られた額によって報酬は異なりますが、成功しなければ払う必要のない性質の費用です。

不動産の名義変更

相続財産に不動産がある場合、専門家は司法書士!名義変更や分筆などにかかる費用は、土地の価格に比例します。固定資産評価額が2000万未満であれば7万円から10万円、5000万未満なら8万円から12万円、1億円未満は12万円から15万円が相場です。また、これに登録免許税の0.4%が実費で加算されます。

本当に安い?

相続の書類を代行する専門家や業者は多々ありますが、中には「4万円で代行します」など格安な表示をみることもあるでしょう。ですが、実際頼むと、含まれていない費用が多く、合計すると他社よりも高額となる場合が多いので注意が必要です。もちろん、良心的な専門家もいますが、費用とサービスの質はある程度比例し、格安業者にはそれなりのワケがあることを知っておきましょう。

最後に

相続の手続きを自分で行う方もいます。ですが、複雑な書類と格闘し、関係各所へ出向くのはかなり骨の折れる作業です。やはり、専門家の力を借りるのが一番の近道となるでしょう。相続に強いのは、弁護士や司法書士ですが、税理士でなければできない手続きなどもあり、必要に応じて依頼する必要があります。専門家に依頼すれば費用がかかりますが、迅速かつ的確に手続きが完了し、納得のいく結果となるでしょう。